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foomii_2011_01_03「2030年の未来 その1 半径1キロ前後の未来像」

 新しい年があけました。おめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 毎年、元旦の新聞は特集が盛りだくさんで年賀状よりも楽しみだったりするが、今年はさっぱりおもしろくなかった。朝日も読売も平時の記事を多少分厚くした程度で、驚くべきところがほとんどなかった。とても残念だった。

 元旦だからというのではなく、新しい10年の始まりなのだから、射程の長い視野からの発見や希望、あるいは警鐘があってしかるべきだと思っていた。だが、そうした未来を見据えた記事は、いくつか小粒のものがあるくらいで、さっぱりとしたものだった。
 こんな並びでいいのだろうかとも思ったし、かりに、それで編集サイドがよいのだと思っているのなら、読者の期待に応えられていないだけでなく、新聞業界自体の劣化が著しく進んでいるということだ。

 次の10年はこれまでの10年や20年とは比較にならない変化が待っているはずだ。
 そのもっとも大きな要因が、少子高齢化と人口減少だ。あらゆる問題がここに帰結すると言ってもいい。
 経済に関しては、中国やインドなど新興国の発展による外的な要因も小さくないが、内需が盛り上がらない現状も踏まえて言えば、やはり少子高齢化と人口減少のほうがインパクトは大きい。

 そこで今月は4回にわたって、この少子高齢化と人口減少を睨んだ未来に関して特集したいと思う。
 前回は『「人口減少経済」の新しい公式』(松谷明彦)を紹介したが、これに続けて、以下の3冊から紹介し、4回目で総説的にまとめたいと思う。

『全予測2030年のニッポン 世界、経済、技術はこう変わる』
 三菱総合研究所産業・市場戦略研究本部(2007年2月刊)

『図解20年後の日本 暮らしはどうなる? 社会はどうなる?』
 ニッセイ基礎研究所(2009年6月刊)

『2030年超高齢未来 「ジェロントロジー」が日本を世界の中心にする』
 東京大学高齢社会総合研究機構(2010年12月刊)

 いずれも描いている未来は同じ2030年であり、そこで使われている統計などは多くは出所が共通している。ただし、そこで述べられている内容は、若干異なる。三菱総研のはエピソード風に未来の描写が描かれるところもあったり、東京大学のは高齢社会の到来を降伏ぎみに受け入れたうえで少々楽観がすぎるくらいに味付けがされている。3者で言えば、一番フラットで網羅的だったのがニッセイ基礎研究所だ。
 いずれも通底しているのは将来に対する危機感で、同じ2030年を目安にしている点で、興味深い。

 今回は先月発売された『2030年超高齢未来 「ジェロントロジー」が日本を世界の中心にする』を紹介する。

※以下はfoomiiでお読みいただければ幸いです。