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2011_02_07「日本版コンパクトシティ」

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 森 健の『ニュースを解く読書』
     — Dive Into Books with News — 2011/02/7 vol.9

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<< CONTENTS >>
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【1】今週のテーマ >>「日本版コンパクトシティ」
【2】今週の1冊    >>『日本版コンパクトシティ』鈴木浩 
  <書名・著者・出版社・定価・amazonリンク>
  <版元による「内容紹介」の引用>
  <目次>
  <要約>
【3】解説と雑感    >>「理性による共同体」
【4】おまけ 
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【1】今週のテーマ 「日本版コンパクトシティ」
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 前月、少子高齢化と人口減少の特集について連載で書いた際、地方・地域
が生き残る方策として、コンパクトシティに触れた。このコンセプトについ
て筆者のもとにおもしろいという感想が送られていた。そこで、今回はこの
コンパクトシティについて、もう少し深掘りする選書を行ってみた。

 たしかにまだあまりコンパクトシティについては知られていないらしく、
先週あるテレビのディレクターと食事をした際も、初耳だとしたうえで非常
に興味をもっていたようだったし、同席していた高名なウェブデザイナーも
実家のある八戸市のことについて話を向けながら、コンパクトシティについ
て強い関心を抱いていた。
 それももっともなことだろうと思う。

 先日もNHKのニュースで、仙台市が税収不足で水道管の交換が予定数を
満たせず、交換できないと報道されていた。今後人口減少が続いていけば、
費用対効果としてますますそうしたメンテナンスは減らされていくだろう。
 道路、バスといった公共ベースから、スーパーや大型店舗などの民間ベー
スまで、いろいろなものが失われていくのが、これからの時代でもある。
 だからこそ、効率的な暮らしが求められるし、それは住民にとっての要請
にもなる。なぜならそれは経済だけではないメリットがあるからだ。

 車社会のままでは高齢者になった際、車に乗れないという事態にもなるし、
経済的にも高くつく。だが徒歩や簡単なバスで往来できるような地域なら住
民にとっては便利だし、健康にもいい。
 また、歩いて会える人たちが増えれば、ボケの防止や健康にも役立つうえ
かつて機能していた共同体的な、互助的な働きも期待できる。
 要するに、歩いて送れる生活圏が再編されて拡大できれば、住民にとって
の利便性だけでないメリットがある。そこにコンパクトシティが注目される
もう一つの要因もある。

 著者は福島大学で都市工学を研究する研究者で、自身が福島県で取り組ん
できたコンパクトシティづくりの経験も織り込んで、日本版コンパクトシテ
ィの概要を丁寧に記している。

※以下はfoomiiでお読みいただければ幸いです