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『脳にいい本だけを読みなさい!──「脳の本」数千冊の結論』

このたび、2 月19 日(金)に光文社より『脳にいい本だけを読みなさい!──「脳の本」数千冊の結論』という本を上梓することになりましたので、ご案内させていただきます。

多くの方がお気づきと思いますが、この数年「脳」を書名に冠する本が爆発的に増えています。「脳にいい~」「脳を活性化する~」と効能を謳うものをはじめ、「成功脳」「勝負脳」など「〇〇脳」というものも多数。書店を歩けばいたるところで「脳」の文字を発見できます。

なぜこんなに「脳」が増えているんだろう?

そう疑問を思った方は少なくないはずです。私自身もそうでした。

仕事上の要請と個人的な関心から、もともと脳に関する本はかなり多く読んできていました。さりながら、昨今ベストセラーになるような本にはあまり手を伸ばしていませんでした。パッケージからしてどこか信憑性に疑いがありそうなものもあり、そうした本にはあまり関心を払っていなかったのです。
しかし、ベストセラーを見れば、いくつも「脳」の本がランクインする。視線をテレビに向ければ、やたらと「脳」クイズ番組がはやり、そこに脳科学者が出演することも少なくない。
DS「脳トレ」は言うまでもないことですが、どうも尋常ではない脳ブームであることは間違いありません。

これはいったいどういうことが起きているのだろうか──。
そんな疑問から、大量の「脳の本」を読んでみるとともに、年間数百点という「脳の本」がつくられ、読まれている現状を取材。合わせて、そんな「脳の本」で言及されている論点や真偽、ミスリードのある「脳の本」の問題などについても述べたのが本書です。

タイトルは有名なヒット本をもじったものですが、(その本を科学書と認定するかは別として)これまで科学書と誤認して、あやしい「脳の本」を買っていた読者層にもぜひ届けられればと願ってつけられた書名です。
また、そんな意図から、本書では当方のアイデアで、ページ下段を書評として101 冊の「脳の本」も紹介してみました。なかには読み通すのが苦痛だったり、読みながら苦笑したりする本もありましたが、一時期に玉石混淆の「脳の本」を大量に読んだのは、ある意味非常におもしろい体験でもありました。これまで発刊されてきた「脳の本」すべてを扱うことはできませんが、多様に広がる「脳の本」の羅針盤的一助になればと思って付記したものです。

時代的な流れからすると、まだこれからも「脳」への関心は高く維持されるだろうと思います。
では、そんな「脳の本」をどう捉えるべきなのか、どうつきあうべきなのか。
そんな意図のもとに書いたのが本書です。
もし筆者と同じような疑問をお持ちになったことがある方ならぜひ、もしくは、1冊でも「脳」に関連した本を買ったことがある人ならぜひ一度読んでいただけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。